空気の振動は、水面に触れると形になる。 マイクで拾った声は、電球の瞬きとして空間に返る。 人の重心の移動が、床一面に波紋を広げる。 ゼロバイゼロが問い続けるのは、「自然現象はそれ自体で十分に美しいか」ということだ。作品は素材に手を加えるのではなく、素材が本来持っている振る舞いを、見える形にする装置に過ぎない。 テクノロジーは手段。演出は最小限。 驚きは、物理の側にある。
Our Vision
わたしたちが大切にしていること
音の視覚化
音は空気の振動です。目には見えません。だが水面に触れると波紋になり、スピーカーに乗せると花の形を描き、電球を通すと光に変わります。この変換過程——音が別の感覚として現れる瞬間——が、作品の核にあります。
Grooving Waterでは低音の振動が水面に紋様を刻みます。Brilliant Noiseでは電車の轟音と人の声が電球を点滅させます。SHAKE SYNCでは握手した二人の体の振動が同期し、光として表示されます。見えないはずのものが突然、形として現れます。見えないものが形を持つ驚き。そしてその瞬間の、不思議な静けさ。
水
水はそれ自体が複雑な物質です。重力・表面張力・光の屈折が重なり、常に動き、常に変化しています。その素直な振る舞いに、音という刺激が加わります。
Grooving Waterでは、スピーカーに置かれた水槽の表面が低音に呼応し、幾何学的な紋様を結びます。Ohpでは、OHPの光源の上の水槽が、指先の波紋を天井いっぱいに投影します。Isleでは音楽のビートに合わせて天井を覆う波紋が色と強さを変えます。水は演じない——ただ、音の形を忠実に映します。
光
光は空間の質を変えます。色温度が変わるだけで、人の気持ちが動きます。固定された照明としてではなく、環境を読み取って呼応する生き物として——そういう光を追ってきました。
神戸の高架下に吊るされた白熱電球の群れは、頭上を通過する電車の音で一斉に輝きました(Brilliant Noise)。六本木の広場を100mにわたって走り抜けた閃光は、人の動きによって生まれました(閃光)。テーブルに置かれたキャンドルライトは、音楽のリズムに合わせてゆれます(Kvel / Arom)。光が環境を記録するとき、空間は静かに呼吸を始めます。